2010-08-25

『キャンディショップ・ウィンクヌガー』

街はずれにある『キャンディショップ・ウィンクヌガー』

そこの店員は女の人一人だけ。
彼女の体からは、いつもストロベリーの香りがするんだ。
彼女はいつも気だるそうな感じで、お店にお客が入っても決して『いらっしゃいませ』は言わないの。
でも、お会計のときに必ず言われるのが

『あなた、甘いの好き??』

って聞かれるの。
『好きだよ』って言うと、『また来てね』って言ってくれるんだ。

そこのキャンディは、1つ口にすると幸せな気持ちになって、2つ口にすると空を飛ぶことができるんだって。
1個がだいたい25ヌガー。
『だいたい』ってことは、どういうことか気になるよね??

彼女、実は天気と気分で値段を変えるみたいなんだ。

この前なんか天気は晴れなのにさ、前髪に寝ぐせがついちゃって気に入らないからって、ロリポップが5000000ヌガーだったよ。家が買えちゃうよね。

でもその次の日は、天気最悪で一日中どんよりしてたのに、お気に入りのサボテンに花が咲いたからってボンボンが1ヌガーだったんだよ。

面白いよね??

そんなおかしいお店だから、なかなかお客さんが来ないんだ。
たまに来るけどさ、やっぱりお客さんもおかしな人ばかりだよ。

そういえばこの前は、シルクハットがとっても似合う白髪の老紳士がお店にいたよ。
でもね、おかしいんだ。
何も買わないで、店員の彼女の手の甲にキスをしてお店を出て行ってしまったんだ。
彼女はとても嬉しそうだったけど。

それから、前髪が極端に短くて、右のこめかみ部分にアゲハ蝶のタトゥーが彫ってある随分と若い女の子が、1個2000ヌガーもするボンボンとスティックキャンディを沢山買っていったんだ。(その日の店員の彼女は、朝にミルクをこぼしちゃったみたいで少し機嫌が悪かったんだ)

女の子は嬉しそうにお店を出ていったよ。
店員の彼女の機嫌は直らなかったけど。

そんなおかしな『キャンディショップ・ウィンクヌガー』

君も一度来てみなよ。



fin?? continue???



~後書~
3年前ぐらいに、友達と携帯でメールしながら作ったお話です。
多少Dbossなりに着色している部分がありますが。。。。

その当時はなんかちょっと不思議でオシャレっぽい話を作るのにハマっていた時期で、メールで急にお話が送られてくるもんだから、こちとらのらないわけにイカン!!!と思って、即興合作みたいなノリで作ってました。
今考えると、ホントよくこんなの考えたよなと、変に関心してしまう。。。
構成的には全然ダメダメだとは思いますが。

ちなみに、こーいうお話の世界観は多分ベンジー(浅井健一)からガッツリ来てる(笑)

まだ何作かあるので、これから細々とアップしていきます。

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